リンゴの栽培の仕方(例)

リンゴの基礎知識

リンゴ(林檎、学名: Malus domestica)は、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、またはその果実(図1)のことである。植物学上の和名では、セイヨウリンゴともよばれる。

中央アジア原産であると言われているが、紀元前から栽培されるようになり、他種との交雑を経てヨーロッパで確立し、現在では世界中の主に温帯域で栽培されている(→#起源と歴史)。2022年時点での世界におけるリンゴ生産量は約9,600万トンであり、国別では中国が約半分を占めている(→#生産)。日本では遅くとも鎌倉時代以降に中国原産の同属別種であるワリンゴ(Malus asiatica)が栽培され、「リンゴ」とよばれていたが、明治時代にセイヨウリンゴが導入され、一般化するに伴ってセイヨウリンゴが「リンゴ」とよばれるようになった(→#名称)。2023年時点では、日本でのリンゴ生産量は約60万トンであり、青森県が約62.8%を占めている。

秋に落葉し冬に休眠するが、一定の低温を経ることで覚醒して春に萌芽・開花する(→#形態的特徴、→#生理的特徴)。花は白から薄紅色、自家不和合性を示し、同一品種の間では結実しないため、遺伝子型が異なる他品種の花粉を受粉する必要がある。秋にほぼ球形で上下が窪んだ大きな果実が実る。普通熟すと果実の表皮にアントシアニンが蓄積して赤くなるが、黄色や黄緑色の品種もあり、特に緑色が強いものは「青リンゴ」ともよばれる。雌しべを包む花托が発達して果肉となり、一般的に歯応えがよく、甘味と酸味がある。

栽培方法

栽培する際には、接ぎ木によって植栽するため、同一の品種は遺伝的に同一のクローンである(→#栽培)。近年では、樹を矮化(わい化)させて栽培することが多い。商品価値のある果実を多数収穫するためには、整枝剪定、病虫害防除、花や果実の間引き、ときに果実の袋かけや回転などさまざまな作業を必要とする。果実の貯蔵性は品種によって異なるが、CA貯蔵など貯蔵技術の進歩によって、早生品種収穫まで前年の晩生品種が出荷されてリンゴは周年供給されている。極めて多数の品種(正確には栽培品種)が作出されており、‘ふじ’、‘つがる’、‘王林’、‘ジョナゴールド’、‘レッドデリシャス’、‘ゴールデンデリシャス’、‘ガラ’、‘グラニースミス’などがある[注 1](→#品種)。

果実はふつう生食されるが、アップルパイなど調理用とされたり、ジュースやシードル、ジャムなどに加工されることもある(→#利用)。エデンの園やギリシア神話などリンゴは文化や芸術においても古くから人と関わってきた(→#文化)。またビートルズやAppleなど、現代でもシンボルとされることがある。